ダクト工事の施工管理技士は、建設業界でも高い需要があり、キャリア形成と安定した職業選択ができる資格です。しかし「資格を取得するまでの流れが分からない」「どのようなステップを踏めばよいのか」といった不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、ダクト工事の基礎知識から、2級・1級施工管理技士の資格取得までの全体的なロードマップを解説します。静岡県浜松市でダクト工事を専門とする株式会社WIND GUIDEの実績に基づきながら、実務的なアドバイスも交えてご紹介いたします。
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第1章 ダクト工事とは 基礎知識を学ぶ

ダクト工事の施工管理技士になるためには、まず「ダクト工事とは何か」「どのような役割を担うのか」を理解することが重要です。この基礎知識がなければ、資格試験の学習も現場での判断も難しくなります。
■ ダクト工事の定義と役割
ダクト工事とは、建築物内の空気を流すための配管(ダクト)を製作・設置する工事です。一般的には以下の用途があります。
空調ダクト
用途:冷暖房用の冷温風を建物内に配流
設置先:オフィス、商業施設、工場
排煙ダクト
用途:火災時の煙排出、防火・安全機能
設置先:商業施設、駐車場、工場
局所排気ダクト
用途:工場内の有害物質・粉塵排気
設置先:製造工場、食品工場
集塵ダクト
用途:粉塵回収・環境保全
設置先:製造工場、鉱業、建設現場
■ ダクト工事の種類と特徴
ダクト工事は、大きく3つの工事方式に分類されます。各々の特徴と施工管理のポイントを理解することが、施工管理技士試験合格に向けた重要な基礎となります。
※参照:建築設備設計基準・管工事施工管理技士試験出題基準(全国建設研修センター)
■ 施工管理技士の役割
施工管理技士は、単なる「工事の監督者」ではなく、以下の責務を担う専門職です:
品質管理:ダクトの寸法精度、溶接品質、防火性能など、建築基準法・JIS規格に基づく品質基準を満たしているか確認
安全管理:現場での転倒・落下防止、工具の安全使用、高所作業の安全確保、火災・爆発防止
工程管理:納期遵守、工事スケジュール調整、後続工事との調整、資材搬入計画の立案
原価管理:資材費・労務費の管理、変更工事の積算、利益率の維持
他職種との調整:電気工事・建築工事・内装工事など関連工事との工程調整
第2章 ダクト工事の職人・技術者としてのキャリアスタート
施工管理技士の資格取得には、実務経験が必須です。未経験者は、まずダクト工事の職人として基礎を学び、実績を積み重ねることが重要です。
■ 未経験からの入職方法
ダクト工事企業での採用は、経験者を優遇する傾向がありますが、未経験からの採用も少なくありません。未経験で入職するためのポイントをご説明します。
建設業界への適性を伝える
「なぜダクト工事業を選んだのか」という動機が重要。体力がある、ものづくりに興味がある、長く働きたいといった適性をアピール
職人気質を示す
「完成度の高い仕事をしたい」「自分の手で建築物を作りたい」といった職人としての心構えを示す
資格取得意欲をアピール
「施工管理技士を目指したい」という中長期的なキャリアビジョンを示す。企業は成長意欲の高い人材を求めている
安全意識の高さ
建設業は安全が最優先。「安全ルールを厳守したい」という姿勢が採用判断に大きく影響
■ 最初に学ぶべき基本スキル
ダクト工事の職人として入職した後、最初に習得すべきスキルは以下の通りです。これらの基本スキルが、後々の施工管理技士資格取得に向けた土台となります。
※参照:ダクト工事技能講習テキスト(日本ダクト工事協会)
■ 実務経験を積む期間と内容
施工管理技士の受験には「実務経験年数」が必須条件です。単に年数を重ねるだけでなく、以下のような多角的な経験を積むことが重要です。
1年目:基本スキル習得期間
加工場での切断・曲げ・溶接作業に集中。機械の操作を正確に習得し、品質意識を養う
2~3年目:現場施工の経験
実際の建築現場でダクトの組立・取付作業に従事。高所作業、安全管理の実践、他職種との連携を学ぶ
3年目以降:管理業務への転換期
図面作成、工程管理、安全巡視、品質検査など管理業務へ段階的に配置転換。資格取得を見据えた準備を開始
複数の工事種類を経験:空調ダクト、排煙ダクト、局所排気、集塵設備など、異なるダクト工事を複数経験することで応用力を養う
第3章 2級管工事施工管理技士の資格取得
基本スキルと実務経験を積んだら、次のステップは2級施工管理技士の資格取得です。2級は1級の入り口となる資格で、取得することで現場監督としての道が開けます。
■ 2級施工管理技士の受験資格
2級管工事施工管理技士の受験には、以下の条件を満たす必要があります。受験資格を確認してから学習計画を立てましょう。
学歴なし・高卒の場合
実務経験年数:5年以上のダクト工事・管工事実務経験が必須
高専・短大卒の場合
実務経験年数:3年以上のダクト工事・管工事実務経験が必須
大学卒(建設系以外)
実務経験年数:1年以上のダクト工事・管工事実務経験が必須
大学卒(建設系)
実務経験年数:0年でも受験可能(卒業と同時に受験チャンス)
実務経験とは:ダクト工事の現場での実際の作業(加工、施工、管理等)に従事した期間です。机上の学習期間は含まれません。実務経験は「実務経歴書」で証明する必要があり、勤務先企業の証明が不可欠です。
■ 試験科目と出題傾向
2級施工管理技士の試験は、2段階制です。各段階の出題傾向を理解し、対策を立てることが合格のカギです。
出題形式:マークシート方式(5肢択一)
出題数:50問
試験時間:2時間30分
出題科目:
- 管工事の施工管理法(品質・安全・工程・原価管理)
- 管工事の法規(建築基準法、労働安全衛生法等)
- 管工事の施工技術(ダクト加工、溶接、接合等)
- 管工事の積算
合格ライン:全体の60%以上の得点が必要
出題形式:記述式(施工管理法の実践問題)
出題数:4問中3問の回答が必須
試験時間:3時間
出題内容:現場での具体的な施工管理ケーススタディ(品質問題への対応、安全対策、工程遅延時の対応等)
合格ライン:全体の60%以上の得点が必要
重要:第一次検定の合格者のみが第二次検定に進むことができます
■ 効率的な学習方法と勉強期間
2級施工管理技士の合格に向けた学習方法と必要期間の目安をご説明します。
※参照:全国建設研修センター・管工事施工管理技士試験情報
① 現場経験を活かす:実務で見たことや経験したことを思い出しながら学習することで、理解度が格段に上がります
② 過去問を繰り返す:過去10年分の問題を3回以上繰り返し解く。出題傾向が見えてきます
③ グループ学習を活用:同期や先輩と学習内容を共有することで、理解が深まり、モチベーション維持につながります
④ 法規・基準を理解する:丸暗記ではなく、「なぜそのルールが必要か」を理解することが重要
第4章 1級管工事施工管理技士への道
2級の資格を取得すれば、次のステップは1級施工管理技士です。1級資格は、建設業界でも最高峰の資格として認識され、年収・待遇面での大幅な向上が期待できます。
■ 1級施工管理技士の受験資格と条件
1級管工事施工管理技士の受験には、以下の条件を満たす必要があります。特に「実務経験年数」と「2級資格保有期間」の組み合わせが重要です。
パターン1:2級保有者の場合
2級管工事施工管理技士資格を取得後、2年以上の実務経験が必要
パターン2:2級なしで受験する場合
学歴や職歴に応じて8~15年の実務経験が必要(2級なしでの受験はほぼ稀)
実務経験の内容:ダクト工事、給排水工事、空調工事などの管工事全般が対象
■ 2級から1級へのステップアップ期間
2級資格を取得してから1級受験までのキャリアパスは、以下のようなステップが一般的です。
2級取得直後(0~1年目)
現場監督・副所長として複数の案件を経験。施工管理全般(安全・品質・工程・原価)の実践を深める
1年目~1年半
1級受験の準備開始。通信講座や学習センターに入講し、2級との難度差を理解して対策
1年半~2年
1級試験受験。合格すれば現場所長・工事長候補として昇進の道が開ける
■ 1級試験の難度と対策
1級管工事施工管理技士試験は、2級よりも大幅に難度が上がります。試験内容と対策方法を理解することが合格のカギです。
試験形式:第一次検定(筆記)+ 第二次検定(実地)の2段階
出題数:第一次50問、第二次4問中3問回答
試験時間:第一次2時間30分、第二次3時間
難度の違い:2級と比べて、①出題が深掘りされる②法規・基準の組み合わせ問題が増加③実践的なケーススタディが増加④計算問題の難度が上昇
合格率の目安:第一次検定は約40~45%、第二次検定は約50~55%(2級の合格率50~60%と比べて低い)
① 基礎を徹底:2級の内容を完全に習得してから1級に臨むこと。基礎不足では1級は合格困難
② 法規・基準を深く理解:建築基準法、労働安全衛生法、機械損傷防止規定など、複数の法規の組み合わせ理解が必須
③ 実践経験の活用:現場所長や大規模案件での経験を学習に活かす。理論と実践の結びつけが重要
④ 学習期間の確保:6~9か月の学習期間が必要。仕事と両立させるため、計画的な時間配分が不可欠
⑤ 過去問と予想問題:過去10年分の過去問を最低3回繰り返し、予想問題で応用力を養う
■ 現場監督・現場所長への昇進
1級施工管理技士の資格を取得することで、キャリアは大きく変わります。
2級資格時(現場監督)
小規模~中規模案件の現場監督を担当。工程・安全・品質の現場管理が主業務
1級資格取得直後
現場所長候補として大規模案件のリーダー位置に昇進。複数案件の統括管理、協力会社との交渉
経験の積み重ね
本社の技術部長、営業部長、経営層(役員)への昇進チャンスが広がる
第5章 ダクト工事企業での学習環境と支援制度
施工管理技士の資格取得を目指すのであれば、企業側のサポート体制が重要です。学習環境が整った企業を選ぶことが、合格への近道となります。
■ 資格取得を支援する企業の特徴
優良なダクト工事企業は、社員の資格取得を企業成長の投資と捉えています。以下のような特徴を持つ企業を選ぶことをお勧めします。
資格取得手当・報酬制度
2級・1級取得時に祝い金や手当を支給。取得後の給与アップを実施している企業は、成長意欲のある人材を大切にしている
学習休暇・休日制度
試験受験時に特別休暇を認める、または学習時間を就業時間内に確保している企業は学習サポートが充実している
通信講座・学習費用の負担
通信講座の受講料や教材費を全額・一部負担している企業。費用負担がある企業は成長投資の姿勢が明確
先輩スタッフとの学習環境
既に資格を取得した先輩が在籍しており、質問や相談ができる環境。メンター制度を導入している企業も
■ 研修制度と勉強時間の確保
仕事と勉強の両立は困難です。企業が以下のような環境整備をしているか確認することが重要です。
① 社内研修の実施:月に1~2回、資格取得に向けた勉強会や講習会を開催している企業は、組織的に人材育成に取り組んでいる
② 勉強室・図書室の整備:参考書やテキストを備え、勉強できる静かな環境を提供している
③ 夜間や土曜日の活用:通常業務時間外での学習支援、または実務経験記録の整理時間の確保
④ 合格者の事例共有:既に資格を取得した社員の学習方法や体験を共有する場を設けている
⑤ 業界団体や工業会との連携:外部研修・講座の受講を推奨し、業界最新情報の学習を支援している
施工管理技士は確実に取得できる資格
本記事では、ダクト工事の基礎知識から、2級・1級施工管理技士の資格取得までの完全ロードマップをご説明してきました。
施工管理技士の資格は、決して簡単ではありませんが、以下の点が確認できれば、確実に取得できる資格です:
✓ 実務経験が積める環境
ダクト工事・管工事の実務経験を積む場所がある企業を選ぶこと
✓ 学習支援体制
通信講座費用の負担、勉強時間の確保、メンター制度があるか確認すること
✓ キャリアプランの明確化
資格取得後の昇進・昇給・配置転換が明確に約束されているか確認すること
✓ モチベーション維持
同期や先輩との交流、グループ学習などで、学習を継続する環境が大切
ダクト工事業界は、建設業界でも人手不足が深刻な業界です。施工管理技士の資格を持つ人材は、極めて高い市場価値を持っています。未経験からのキャリアスタートを考えている方、現在現場で働きながら資格取得を目指している方は、ぜひこのロードマップを参考にしてください。
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